王子様の秘密-下-



『どうかしたの?』

「…いや、何でもない」

『そっかぁ♪
ひろみ教室にいるから、早く戻って来てね?』

「…あぁ、分かったよ」



そう言うと、俺は一方的に電話を切った。


陽菜の声が聞きてぇな…


陽菜の笑った顔を思い出すと、不意に笑みがこぼれた。



あの笑顔を見るために…

守るために…


俺は自身がどうなってもいいと思えたんだ。



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