王子様の秘密-下-
「成弥君でも動揺するんだね」
「……………」
楽しそうに笑う神崎。
俺はその笑いの後ろに、陰を感じた。
「私さ、知ってるんだよね。
桜木さん…成弥君の家に住んでたよね?」
「!!」
「やっぱりぃ~
何度か見かけたことあるんだぁ♪
でも、周りには秘密にしてるよね?」
「……………」
見られたか…
いや、別にありえなくも無かった。
見られる可能性なんて、あるに決まってた。
…だけど、どうやら俺は、厄介な奴に見られてしまったらしい。
「こればれちゃうと、大変だよね~
桜木さんなんて、成弥君のたくさんのファンからイジメにあうかもねっ」
「……………」
「かわいそ~っ
成弥君のファンって、同級生に限らないもんね?
先輩、もしかしたら後輩からもイジメられちゃうとかぁ?」
甘ったるい声で、楽しそうに話す神崎を…
俺は許せなかった。
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