王子様の秘密-下-



「……っ」

「…あっ、桜木ちゃん!!」



私は、みんなを残したまま、廊下を走った。


自分の支えが効かなくなりそうで…

見るだけでも辛いのに、立っていられそうになかった。


恭平君の私を呼ぶ声がしたけど、足を止めようとは思わなかった。



何も考えずに…


さっき見た光景を思い出さないように…


行き先も分からないまま、私は走った。



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