王子様の秘密-下-
「桜木さん、これ落ちてたよ」
「………っ」
目の前に出されたのは、破れたページが飛び出て見える生物の教科書。
机の中に入れてたのに…っ
「あ、ありが…」
「いいえ~」
バサッ
落とされた教科書の周りに、ページの切れ端が散らばった。
「…あー、ごめんね」
「……………」
拾おうとして、私が伸ばした手は…
…………っ
笑みを浮かべた女の子に踏まれた。
痛い…
歯を食いしばって、痛みに耐えた。
徐々に痛さが増してくる…
「桜木さん」
「……………」
「いつまで学校来る気なの?」
「…!!」
上から降って来るのは、冷たい眼差しと、刺すような言葉。
…負けちゃダメだ…
私はただ黙ってひたすら耐えた。
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