王子様の秘密-下-



「桜木がこんなことされる意味分からない…」

「私のどこかに、気にくわないことがあっただんだよ。
だから、そのうち終わるって…」

「悪化してるようにしか見えないけど…
もう何日続いてんだよ」



口が裂けても、成弥のことは言わない。

…言えない。


迷惑かけたくないし、こんなことで成弥に振り向かれたら…

自分が惨めになっちゃうから。



「とりあえず、クラス戻るぞ」

「うん…」



自然と、九条君に手をとられ、私はその手を握った。


温かくて…

優しい手だった。


私はこの手に、安心感を抱いた。



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