王子様の秘密-下-
陽菜…
頼むから…
九条のものになるなよ…
もう少し、待っててくれないか…?
なんて、勝手だよな…
陽菜が幸せに…笑顔になれるなら、九条の所に行けばいい。
お前の笑った顔が見れれば、それでいい。
この手で、陽菜を守ってやりたかったけど…
俺にはできないらしい…
俺は鎖で繋がれた犬、かよ…
感情は留まることを知らず沸き上がる一方で、握りしめた拳は、痛みを覚えるだけだった。
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