王子様の秘密-下-



「文化祭で、主役やってくれないか?」

「…へ?主役?
私が…?」



たしか私達のやるのって…



「む、むりだよっ!!」



指名式のカフェ…


(夏祭りバージョン)



「お願いだよ、桜木…」



クラス委員だからって、九条君にそんな顔されても…っ


私は首を縦に振れなかった。



カフェと言っても…

浴衣で指名された人に接客する…

言わば、かるくキャバクラ。



それの主役が私!?

無理に決まってるよ!!



「ダメっ
私、受付…っ」

「受付は男子だから却下。
頼むよ、桜木」

「無理なものは無理っ
誰がそんなこと言ったの!?」

「クラスのアンケート…
とったの忘れてないよな?」

「クラス?
アンケート?
……あ゙っ……」



忘れてた…

そういえば、そんなアンケートとった気も…しなくもない。


そんな私を見て、九条君は笑って言った。



「忘れてた罰で、拒否権なし!!
よし、決定な♪」

「いーやぁー…」

「深川も接客よろしく!」

「分かった。
陽菜を監視しておくね」

「無視しないでよーっ」



なんなんだ…

グルですか…?


私…泣きそう…



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