【愛はナンダ】

「自分は僅か３３歳で死ぬ事になる。妻、今まで愛してくれてありがとう。
五歳になる娘、明るく、健やかに育って下さい。
先月産まれたばかりの娘へ、父親の顔を見る事もなく育つのは、
本当に申し訳なく思っている」
玉砕を命じられ、遂行の前日に書いた遺書とも言える日記。
自分が死ぬにも関わらず、彼の気持ちは愛する妻、娘二人に向いている。
現代の人はどうだろうか？と思う。きっと何故死ななければならないか？
自分は不幸だと自分の事ばかり悔いるだろう。いやそうではないか？
この部分こそ愛と思いやりの欠落で、あると思う。
人は誰しも、理想の愛を描くが、本当の愛に出会った時には想像とは違った答えがある。
それは守らなくてはならない、伝えなくてはならない、優しさの愛だと言う事だ。
現代の人間誰しもが我儘であるから、本来大切なモノにすら気付かずに、
愛をドラマだの映画だのとせせら笑うのではないか？
人間の気持ちの根本は見えない場所にこそある。