空の彼方の君へ。
公園につくと、すでに一つしかないベンチに座っている人影が見えた。
後ろ姿からして、女の子だろう。
俺は隣に座らしてもらう為、彼女に近づいた。
「一つ一つ、綺麗に輝いてるな・・・」
聞こえた声はとても澄んでいて、とても綺麗だ。
その声を聞いて、心臓がドクン、と跳ねた。
病気とは違う、締め付けられる感じ。
「そうだな」
俺は彼女と関わりたくて、無意識に返事をしていた。
案の定ビックリした彼女は、俺のほうに向く。
その瞬間、息の仕方を忘れた。
月明かりに照らされた彼女は、今まで見て来た誰よりも綺麗な顔立ちで。
俺は、少しの間見惚れてしまった。
「隣、いい?」
彼女の視界に入れてもらいたい。
そう思うと口が勝手に動いてく。
俺の言葉に彼女は慌てて
「あ、どうぞです!」
「ははっ、変な敬語。タメ口でいいよ」
むしろ、タメ口がいい。
敬語だと、彼女と距離を感じてしまうから。
「でも、年上ですし」
その言葉を利用して、さりげなく彼女の歳と名前を聞き出した。