空の彼方の君へ。



あっというまに放課後。


疾風は結局、遊びに来なかった。

まあ、疾風だから大丈夫だろうけど・・・・・・。



「バイバイ、沙希!今日も優斗さんと会うんでしょ?」


「もちろん!佐奈も彼氏と喧嘩しちゃ駄目だよ?」


「はーい!あ、康介!沙希、またね!」



野球少年が迎えにきてそっちに向かった佐奈に手をふって別れた。


お姉ちゃんも佐奈も、彼氏が迎えに来てくれていいなぁ。


でも、優斗違う学校だし・・・・・・。

あれ?優斗って何処の学校なんだろう?


今日聞いてみよっかな。



私は優斗と話す話題がつくれて、それだけで浮かれてたんだ。


優斗が私と付き合ってることに不安を覚えてるなんて、私は気づいてあげることすらできなかった。


ねえ、優斗。


優斗の不安に私が気づいてたら、優斗はあんなにも苦しまなかったかな?



< 22 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop