空の彼方の君へ。
あっというまに放課後。
疾風は結局、遊びに来なかった。
まあ、疾風だから大丈夫だろうけど・・・・・・。
「バイバイ、沙希!今日も優斗さんと会うんでしょ?」
「もちろん!佐奈も彼氏と喧嘩しちゃ駄目だよ?」
「はーい!あ、康介!沙希、またね!」
野球少年が迎えにきてそっちに向かった佐奈に手をふって別れた。
お姉ちゃんも佐奈も、彼氏が迎えに来てくれていいなぁ。
でも、優斗違う学校だし・・・・・・。
あれ?優斗って何処の学校なんだろう?
今日聞いてみよっかな。
私は優斗と話す話題がつくれて、それだけで浮かれてたんだ。
優斗が私と付き合ってることに不安を覚えてるなんて、私は気づいてあげることすらできなかった。
ねえ、優斗。
優斗の不安に私が気づいてたら、優斗はあんなにも苦しまなかったかな?