空の彼方の君へ。
俺が沙希を悲しませることは絶対したくねぇ。
俺は沙希と会う零時になったため、防寒をし外にでた。
公園に着くと沙希は珍しく先に来ていた。
「あ、優斗!えへへー、今日は優斗を迎えようと思って先に来ちゃった」
「ありがとな」
嬉しくて沙希の頭を撫でる。
俺が死んだら、こんな風に出来ないんだな・・・・・・。
俺は無意識のうちに沙希を抱きしめた。
「優斗・・・?」
沙希も俺がおかしいのを感じたらしく、不思議そうに覗いてくる。
「今日だけ・・・」
「え?」
「今日だけ、弱い俺でいさせて・・・」
弱い俺でごめん、沙希。
でも、今日だけ。
いや、今だけでいいから少し弱気でいさせて。
そしたら、死ぬまで沙希を守れるように頑張るから。
「どうしたの?優斗」
「なんでもない」
そう言った俺は、いつもと同じ様に見せるために笑った。
「本当に大丈夫?」
「大丈夫だって!・・・なあ、沙希?」
「ん?なに?」
俺は、今からとても残酷なことを言う。
沙希を縛りつける、残酷な言葉を。
「ずっと、俺を愛してて」