空の彼方の君へ。



校庭に出ると校門の所にありえない程の女子。



隙間から見える優斗は話し掛けてくる女子を徹底的に無視しているみたいだった。



私がどうしようか迷って優斗を見ていると、優斗と目が合った。



優斗は私を見ると悩殺の笑顔を見せてそこら辺の女子を退けて私のほうに来た。



「沙希!お疲れ!」


「う、うん・・・。優斗、何で此処に?」



周りの視線が痛いんですが・・・・・・。



「沙希、友達の彼氏が迎えに来るのうらやましいって言ってただろ?それ、叶えようと思ってさ」



確かに、お姉ちゃんや佐奈が羨ましくて優斗に話した。


でも、その話題はすぐに終わって。


言った私でさえ覚えてなかったのに。



「・・・嬉しくない?」


不安げに優斗がそう聞いてくる。


「嬉しいよ・・・」


昨日の何気ない優斗の『学校どこ?』って質問で、私の学校を知って。


私が羨ましいって言った迎えもしてくれて。



・・・・・・嬉しくないわけがないよ。


「喜んでもらえてよかった。・・・帰ろうか」



優斗は嬉しさで泣きそうになっている私に微笑んで手を差し出してきた。



私は周りの視線なんか忘れて優斗の手を握る。



私は優斗が悲しい顔をしてたのを見逃してしまったんだ・・・・・・。



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