空の彼方の君へ。
佐奈と道が違くなる場所に着いた。
「・・・沙希」
「ん〜?」
服を買えてご機嫌な私は佐奈の呼びかけに笑顔で返す。
「優斗さんは、何かあると思う」
外れたことのない佐奈の勘。
そんな佐奈が言った言葉。
私はそれに不安を覚えた。
「どういうこと?」
「なんかよくわかんないけど・・・。優斗さん、何か隠してると思うんだよね。勘でしかないけどさ」
優斗が何か隠してる?
そんな風には見えなかったけど・・・・・・。
「よくわかんない」
「私もよ・・・。でも、何か嫌な予感がするの」
気のせいかしら。
佐奈はそう言って不安げな顔をしていた。
「気のせいだといいな・・・。今日はもう帰ろう?」
「うん・・・。バイバイ、また明日」
「バイバイ」
私達はお互い不安なまま別れた。
この時はまだ、不安なだけで佐奈の勘が当たらないことを願うだけだった。