空の彼方の君へ。
「沙希・・・・・・」
切なくそう呟く。
「優斗」
後ろから、沙希の声が聞こえる。
俺はゆっくり後ろに振り向いた。
「沙希・・・・・・?」
本当に?
本当に、沙希なのか?
「こんな所でどうしたの?一緒に帰ろう?」
沙希はそう言って手を差し出す。
うん、帰ろう。
愛しい君と一緒に。
俺は自分の手を沙希の手に重ねようとした時、沙希がフッと消えてしまった。
「沙希・・・・・・?」
どこにいる?
お願いだから、一人にしないで。
俺は沙希がいないと駄目なんだ。
沙希じゃないと、駄目なんだ。
「沙希・・・・・・」
ごめん、俺、戻れないかもしれない。