空の彼方の君へ。
疾風について行くと、屋上についた。
疾風がフェンス側に座ったから、私も隣に座る。
しばらく沈黙していると、授業の開始のチャイムが遠くで鳴った。
・・・・・・授業サボっちゃった。
そう考えていると疾風が口を開いた。
「授業、サボらしてごめん。でも、どうしても言わなくちゃならなかったんだ」
そう言う疾風は、いつものふざけた様子はなく、真剣そのものだった。
「うん。どうしたの?」
私がそう聞くと疾風は言いずらそうに顔を歪ませる。
「・・・優斗、って知ってるだろ?」
『優斗』。
その名前が出ると、私の心臓はありえないくらいにバクバク鳴った。
「・・・うん、知ってるよ」
彼氏で大好きな人だもん。
忘れるわけないよ・・・・・・。