空の彼方の君へ。



「その優斗が昨日、


死んだんだ」



疾風の顔は、今まで見たことのないくらい、悲痛に満ちていた。


優斗が、死んだ・・・・・・?


嘘だよ。


だって、最後に会ったとき『またな』って言ってたもん。



「嘘、だよ・・・!いくら疾風でも、こんな嘘許さない!」


「嘘じゃねぇよ!!」



取り乱した私は、悲しみの感情を表にした疾風に怒鳴り付けられる。



そんな疾風を見て、ああ、嘘じゃないんだ。とすんなり受け入れてしまった。



「優斗、もういない・・・?」



発した声は、自分でも驚くほど弱々しかった。



疾風と優斗の繋がりはわからないけど、優斗の死を悲しんでいる人にこんなことを聞くのは凄く残酷だろう。



それでもどこか、嘘だと否定している自分がいたから。


泣きそうな、弱い自分がいたから。


全てを消すために聞いた。




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