空の彼方の君へ。
「沙希!!」
大声で屋上の扉を開いた佐奈は、息は乱れていて所々汗をかいていた。
走って来てくれたんだ・・・・・・。
私をみつけた佐奈は、私のもとにくる。
「沙希!どうしたの!?」
疾風と話したまま座っていた私に、佐奈がしゃがんで目線を合わせた。
「優斗、いないの・・・」
「・・・・・・え?」
「もう、会えないの・・・」
「・・・・・・」
「死んじゃったんだって・・・っ!」
「泣けばいいじゃん!!」
最初は意味がわからなかった佐奈は、私の言葉を理解してくれたみたいで。
叫んだ佐奈は、疾風のように涙を流していた。
「悲しいんでしょ!?なら、泣きなよ!!」
「・・・・・・っ」
「辛いんでしょ!?切ないんでしょ!?やせ我慢すんな!!」
「・・・うぅ」
「大好きだったんだもん!!悲しくないわけないんだよ!!」
「う、っく・・・ひっく」
泣き始めた私を、佐奈はゆっくり抱きしめてくれた。
「そうやって素直に泣いとけ、馬鹿・・・」
佐奈の言葉に、私の涙はもっと溢れだした。