空の彼方の君へ。
零時。
そんなに寒くないから、今日は防寒をしなかった。
優斗と会うときはいつもマフラーをしてたのに。
嫌でも時間が進んで行くことを実感する。
「沙希・・・?公園に行くの?」
優斗が亡くなった日。
泣いている私を家まで送ってくれた佐奈は、何事かと驚いてる家族に説明してくれた。
だから、お姉ちゃんは優斗がいない公園に行くのを驚いているんだ。
「・・・うん。疾風に会うの」
「・・・そっか。気をつけてね」
「うん。行ってきます」
「いってらっしゃい」
あえて深く聞いてこなかったのは、お姉ちゃんなりの優しさ。
深く聞いて私を傷つけないようにしたんだ。