空の彼方の君へ。



それからお互いに沈黙したまま学校についた。


ちなみにお姉ちゃんは奏さんと登校。


私と行けなくなったお姉ちゃんは泣き叫び、困った奏さんが『俺が一緒に行く』と言ってくれてなんとか泣き止んだ。



あの時の奏さんはかっこよかったよ、うん。



「ね、ねぇ?沙希。あれ、疾風じゃない?」



佐奈が横から口元を引き攣らせながら聞いてくる。



佐奈が見ている先には、校門。


誰かが言い争いしていて、私のいる校舎からすごい目立っている。


そして、その言い争いをしているのは美少女と、疾風。



「朝から何やってんの、あいつ」



・・・・・・うん、まったくだ。


疾風と美少女は周りに野次馬がいるのにも気づいてないらしく、言い争いはどんどんヒートアップ。


ついには美少女が疾風の頬を平手打ち。



パアーンという音が校庭に響き渡り、一瞬で校庭も校舎内も静かになった。



最終的には睨み合う二人を先生が止めて、美少女は何処かへ去っていった。




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