空の彼方の君へ。
「話戻すけどさ?」
真剣な声になった疾風に私と佐奈は渋々顔を上げる。
「俺は、利用されてるなんて思わないから」
私の隣に座って、私を見つめる疾風。
あまり見ない疾風の真剣な顔に、自分の顔が赤くなるのがわかる。
まるで、優斗とキスした時みたいに。
顔が赤くなった私に疾風は目を見開く。
「え?・・・まさかの脈あり?」
「ち、ちが・・・!」
違うと言おうとしたけど言葉を止める。
疾風にドキッとしたのは確かだ。
私は両手で赤くなった顔を隠した。
「ま、マジで・・・?おっしゃあー!!」
疾風は嬉しいのか、一人でガッツポーズ。
佐奈はニヤニヤしながら私と疾風のやり取りをみている。