空の彼方の君へ。



「さあ、寝るよっ!」


佐奈の家でご飯を食べ、お風呂を借りると佐奈がそう言ってきた。


「もう寝るの?」


まだ9時だよ?


「恋バナするに決まってんじゃん!」


「あー、はいはい」


私達は佐奈の部屋に移動した。





「よし、布団敷いたから入ろっ」


自分で敷いた様に言ってる佐奈だけど、実際敷いてくれたのは佐奈のお母さん。


とても優しくて、親切な人。


「じゃ、お泊り恒例の恋バナでーすっ」


語尾に星がついてそうな佐奈の言い方。


余り乗り気じゃない私は適当に拍手しとく。



「沙希は、疾風が好きなんですか?」


そういきなり質問した佐奈にビックリしつつ、答える。



「わかんない。でも、優斗と居た時みたいになる」


「そっかぁ〜。じゃあ、もしも。もしも優斗さんが生きてて、ほかの子とキスしてたら?」



そう聞かれたから、優斗がほかの子とキスしている姿を思い浮かべる。



「・・・なんか、ムカムカする」


「じゃ、疾風がほかの子とキスしてたら?」


「イヤ」


優斗の時より早く答えた自分にビックリする。


なんか、疾風がほかの子とキスするのを思い浮かべたくもないと思った。



隣の佐奈を見ると、優しく微笑んでいた。



< 96 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop