S.S.P.  学校警護係
今日も連なる屋根の上を走って行く。
これならギリ間に合うよね。
駅に到着し、私はまた電車に飛び乗った。
1本遅いからなのか、昨日より人が少なかった。
ふー。セーーフ。
今日はちゃんとポールに掴まってよ。
パッと右隣を見ると、またしてもこいつ。
「お前、早速寝坊かよ。緊張感ねーな。」
仁科陸!!
っかー!朝からムカつくヤツだな!
そんなこと私が一番わかってるよ!
「お前、汗だらだらだぞ。これ使えば?」
そう言って紺色のハンカチを差し出された。
案外優しいじゃん。
私はお言葉に甘えて、素直に受け取ることにした。
「ありがと。」
額と首の汗を拭きとると、ヤツに「ん。」と手を差し出された。
「??」という顔で見つめると、
「返せって言ってんだよ。」
あっ、ああ!
そういうことね!
そう言えよ!
一文字だけじゃわかんねーだろ!
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