S.S.P.  学校警護係
階段を上ろうとした時、私は一瞬シトラスの香りに包まれた。
あ、いい匂い…。
無意識のうちに後ろを振り向くと、眩しいくらい輝いた金色の髪の男の子の後ろ姿があった。
どうやら彼は職員室に向かっているようだ。
たしか、ここを右に曲がれば職員室があるもんね。
入学してまだ一週間も経ってないけど、ここの地図は完璧に覚えた。
絶対迷子になりません。
私の記憶力、ナメんじゃないよ!
それにしても、あんな人いたっけ?
私の記憶の中には存在しない…。
そんなことを思っていると、陸がやっと私に追いついた。
「ねぇ、あんな人いた?」
「あの金髪?あれ、隣のクラスの東信人(アズマノブト)だろ?風邪ひいて今日から登校らしい。」
えー?!
そのパターン超かわいそうじゃん!
絶対友達できないよ!
災難だなぁ…。
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