誰を愛してるの…

散歩

｢さすがですね｣


｢ふふ…外してるって事は、指輪を置いてきたのかしら？｣


｢はい…実は夫とは別れようと思って｣


｢夫婦も色々あるものね｣


｢そうですね…うちは典型的なお互いに冷めた関係な事が原因ですね｣


｢そう…私もね昔は沢山色んな事があったのよ｣


｢おばあちゃんのロマンス聞いてもいいですか？｣


｢私のロマンスなんて、あなたの役に立たないわよ｣


｢そんな…｣


｢今の彼を選んで新しい人生もあるけど、旦那さんとの事…本当に分かってるの？｣


｢分からないから…
別れるんです｣


｢そうかしら。あなたが、目を閉じてるだけなのかもよ…｣


不思議とおばあちゃんの前では、素直になれた


そして、なんだか…私の心を見透かしているようで


自分に嘘がつけなかった…


確かに、私は彼の心を探るばかりで確かめた事なんて一度もなかった。


ふと、思い出した


｢私には父親違いの妹と弟がいるんですがまだ一度も会った事がないんです｣