かけがえのないキミへ


俺はため息を聞こえないように漏らし、竜也の後を梨花と並んでついていく。


外は暑いくらいの温度で、だけど時々吹く風が心地よくてたまらない。
俺の金色の髪の毛を、夕日がオレンジ色に染める。


『ねぇ!竜也、今日どこいくの?何にも考えてないじゃん!!』



梨花は俺の手を握りしめて、竜也の背中を目掛けて言葉を発する。
そんな言葉を聞いた竜也は頭を掻いて、『さぁ?』というポーズをした。


『なにそれ!!』


『竜也ちゃんと考えろよ』


竜也はくるりと後ろを振り返る。


『え~…俺どうすればいいの?』


こう優柔不断な発言をする。
竜也の後ろにある夕日が輝いている。


『決めなよ~!怜はどこがいいと思う?』


梨花は俺を見上げて、こう言った。
『う~ん』と俺は考えるフリをするだけ。
だって会いたくないしさ。


『映画…とか?』


この曖昧な答えが、
いけなかっんだ…



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