かけがえのないキミへ
でもそんなこと言えるわけないだろ?
『んなわけねぇだろ?』
『本当に?本当に?』
梨花は何度も何度俺に聞いてくる。
正直鬱陶しいですけど?
周りの人から見られるし、こんなとこで喧嘩などしたくない。
『じゃあ梨花のこと好き?』
最悪な質問。
本当のこと言えないだろ。
だってお前の目、輝いているしさ。
『…だから~…』
言葉に詰まる俺。
すると梨花が俺のネクタイを引っ張り、顔を傾けた。
なんだろう?この感触。柔らかくて…あったかい。
俺の唇になにかが重なっている。
そう、梨花の唇だった。俺は目が点になり、梨花から唇を離すことが出来なかった。
俺、今梨花とキスしてる?
梨花を見下ろすと、ちゃんと目を閉じている。
唇を離しては、もう一度唇を重ねる梨花。
拒めなかった。
体が硬直していて…
そんな中、俺は目が合ってしまったんだ…