かけがえのないキミへ
~6.俺プラス君~
白すぎるホワイトボード。
俺はソファーに腰掛け、しばらくそれを見ていた。
今、ようやく全てが理解出来た。
時間はかかったけれど、親父の人生なんだし、好きにさせようかなって。だけどやっぱり親父は親父として認められないかな。
親父はまたSevenStarsを吸っていて、もくもくと煙に包まれていた。
もうここにきて三本目になる。
いくらなんでも吸いすぎだろ。
すると親父は半分まで吸った煙草を灰皿に押しつぶし、膝に手をあてて立ち上がった。
『じゃ、俺行くわ』
『あ…あぁ』
『仲良くしてやってな』
俺に笑顔なんか見せて親父はこう言う。
俺はすぐに視線を逸らし、こくんと頷いた。
『また何かあったら連絡するな』
再び首を縦に振る俺。
そして親父は俺の前から姿を消した。
かしゃん…と閉まる、切ないドアの音。
俺はまた一人ぼっちになる。