かけがえのないキミへ
なんていう名前なのか、どんな顔なのか、
どんな声なのか─…
どんなキミなのか…
知りたくて、知りたくて、いつもキミばかり考えている。
授業が始まり、俺は机の中から教科書を取り出した。
すると教科書の上に、四つ折りされた紙が飛んできた。
俺は辺りを見渡す。
目が合ったのは竜也だった。
竜也は口ぱくで『読め』と命令をする。
俺は四つ折りされた紙を開いていくと、紙にはこう書かれていた。
《好きな子出来た★》
俺はもう一度竜也を見て『誰?』と言った。
でも竜也は『内緒』と言って教えてはくれなかった。
休み時間、竜也に問いただすと、竜也はまた『内緒』という言葉で片付ける。
『なんで?』
『彼女になったら教えてやるよ!!』
『絶対だからな?』
『おう!』
俺の人生が狂い始めた。