かけがえのないキミへ


『響はすげぇ落ち込んで、毎日泣いてた。俺は響のこと大事な親友だし、支えてあげることしか出来なかった、俺さ、教えてやったんだ』


『…なにを?』


遥斗さんは空を見上げて、真っ青な空を自由に飛ぶ、二羽の鳥を見ては、小さく微笑んだ。


『泣いたときは空を見上げろって、そしたら何か空からのご褒美があるって…俺、昔、人を信じられなかったし、涙なんか出なかったから、響に教えてやったら、響のやつ、笑顔になるんだ』



楽しそうに話す遥斗さんの姿が、とてもかっこよく見えた。
泣いたとき空を見上げたら、なにかもらえる。
空からのプレゼントが…

『空見上げただけで笑顔になれる。空ってすげぇよな?響は先生の想いが消えなくて、だけど先生はどっかの高校に移動になったんだ。俺は響に追いかけろって言ったけど、あいつは待ってるって言ったんだ。』



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