かけがえのないキミへ
結婚する前、私は夜の仕事をしていた時に、貯金をしていたから、お金には当分困らないだろうと思っていたけど、使ってしまえばなくなってしまう。
夫はとうとう育児にも協力してくれなくなり、酒やタバコに溺れ、私を殴るようになってきた。
『…あなた!いい加減にして!いつになったら働いてくれるのよ!』
いつも喧嘩は絶えず、ご近所にも噂になっている。
そして、ついに私の限界は超えた…
綾音が小学校一年生のとき、夕日色に染まる部屋の中、酒に狂った夫に、私は暴力を受けていた。
耐えても耐えても、傷は増えるばかり。
体にも心にも。
綾音だけは守りたくて、私は自分の体を犠牲にする。
『お前が悪りぃんだろ!口答えすんな!!』
足や手は、凶器になる。私は怖くて身を丸めていた。
綾音にはこんな思い、させたくない…
こんな思い…私だけで十分だ。