かけがえのないキミへ


俺が悪いの?
違うよ、お前が悪いんだよ…


愛がない俺に求めるお前が悪い。
俺は、人を愛したことなんてないから。


金髪に近い茶色い髪の毛が汗で濡れている。


『先生、もういいよ』


俺がこう言うと先生は俺と違う世界に行ってしまった。
俺を置き去りにして。



ぐったりとベッドに寝ている先生を一人にして、俺は床に落ちていた制服を拾う。
青色のカッターシャツを着て、ズボンを履き、ネクタイを手に持って、保健室から出て行った。


汗を手で拭い、教室に向かった。


教室に行くと、カバンを取り、さっさと学校を後にする。



一人でいると考えてしまう。
『何やってんだろ?』って。
すごい惨めになる。


好きでもない女を抱いて、好きでもない女に甘い時間をあげて…
満足するのは女で、
不満足なのは俺。



生きてて楽しいの?
なんて聞かれたら、俺は迷わず『つまんない』って言うだろう。




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