かけがえのないキミへ
あぁ、そっか。
人間は嫉妬深いんだった。
梨花は今嫉妬のかたまりで埋まっているんだ…
こう理解をし始めている自分がいた。
『綾音は関係ねぇだろ?』
『関係あるわよ』
梨花は後ろに隠れていた右手を俺に差し出してきた。
手に持っていたのは、何枚かの写真。
それには全て俺と綾音が写っていた。
『これ…』
その中の一枚に、竜也に俺と綾音の関係がバレてしまったときのもあった。
二人で仲良くマンションへと入っていく場面。
見られていたのは竜也だけではなかったんだ…
『これでも好きじゃないと言い切れる?』
『……梨花の言うとおりだ…』
何も言い返すことの出来ない俺は、素直に話すことにした。
『綾音ちゃんが好きなんでしょ?あたしなんか…好きじゃないんでしょ?』
目に涙をいっぱい溜めて、梨花は俺を見つめてきた。
梨花の瞳の中でゆらゆらと揺れる俺。