かけがえのないキミへ


その写真の中にいた俺と綾音。
俺は綾音に飛びきりの笑顔を向けていた。


『な、梨花?この俺の顔ってさ、好きってバレバレじゃね?』


自分の顔を鼻で笑って、梨花に見せた。
梨花はこくんと頷き、唇を噛み締めた。


『俺さ自分では分からなかったけどさ…写真に写ると好きってバレバレなんだな』


写真はすごい力があるんだ。
自分の気持ちを映し出してしまう程、すごい力が…


『梨花、ごめんな…梨花を愛してあげられなくて…』


梨花は黙ったまま俺の話に耳を傾けていた。
細い体で、必死に耐えていたんだ。


『梨花ならもっといい男見つかるよ。今度好きになる男は俺みたいなやつじゃないのにしろよ?』


笑いながらこう言うと梨花もにっこりと笑ってくれた。
久しぶりに見た。
梨花が笑う姿。




『お前に泣き顔は似合わないよ』




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