かけがえのないキミへ
『じゃあこの世界からいなくなれば?』と言われたら、俺は『はい、いなくなります』と言って自ら命を絶つだろう。
生きていても、楽しくない…
魅力がない、つまらない、楽になりたい。
俺がいつも思うこと。
なんでこんな人間になってしまったのかな?
きっと俺の過去に問題があるのだろう。
…城谷怜《しろやれい》これが俺の名前。
現在、駅前に建っている高層マンションで一人暮らし。
彼女は、不特定多数。
両親は父親だけ。
母親は小さい頃、家を出て行った。
父親とはもう何年も会っていない。
要するに俺が邪魔なんだ。父親は女が大好きなろくでもない人間。
そんなだめな父親を小さい頃から見ていたから、こんな人間になったのかもしれない。
母親はいつも泣いていた。父親が浮気ばかりしていたから。
だから、母親は出て行ったんだ。