かけがえのないキミへ
なにしてるの?
俺の頭を掻け巡る言葉。
俺は上を見上げて、少し痛んだ茶色の髪の毛を触った。
『かなり色落ちたな…』
そろそろ染めにいくか、と思い、携帯のスケジュール帳を開く。
その時、上の余白にメールの文字が映し出された。
俺は急いでスケジュール帳を閉じて、メールが受信されるのを待った。
綾音だと信じて……
俺はすでに嬉しくて笑みが零れている。
勢いよく受信ボックスを開くと、宛先のところには《梨花》とあった。
その文字を見た俺の表情が一気に冷めたのは言うまでもないだろう。
《今日はワガママごめんね…怜大好きだよ★》
梨花からのメールはこうだった。
『…あっそ…どうでもいいよ』
俺は悔しくて、悔しくて、携帯を思い切り閉じた。
綾音との距離が近くなったと思ったのに…
キミはまだまだ遠い─…