かけがえのないキミへ


朝、目が覚めると、身が軽い自分がいた。

いつもは低血圧のせいか、すぐには起きられないのだが、今日は違った。昨日、綾音といいことがあったからかな?と思いながら、大きく背伸びをした。


そして枕の隣に置いてあった携帯を取り、メールチェックをする。
メールの件数は5件。
俺はそれをひとつひとつ確認していく。


5件中4件は女で、
1件はメルマガだった。
4件の中に、綾音のメールはなかった。
綾音からメールはあれから来ていない。
いつか返ってくるだろう、と期待して朝を迎えたが、メールは来ていなかった。



『はぁ…』



俺は顔を下に向け、溜め息をついた。
その溜め息はたちまち部屋中に広がっていく。


返せない理由とか、あるのかな?
なんてね?


俺はベッドから下り、カーテンを開けた。

カーテンを開けると、春の気持ちのいい日差しが部屋中を埋め尽くした。


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