かけがえのないキミへ


冷たい水を大量に出し、前髪を黒色のピンでとめて、顔を洗った。
近くにあったタオルで顔を拭き、鏡で自分の顔を見る。



冴えない顔。

自分の顔を見た瞬間、鼻で笑ってしまった。

『……うぜぇ…』


顔を洗ってリセットをしても、腹立たしさはなくならなくて。


洗面所から出て、先ほど踏んづけた手紙を横目でみる。


見たくない、と思い俺はその小さくなった手紙を広い、ライターを使って燃やした。



小さくなった手紙は、今度は黒色の炭と化す。
俺はそんな光景を見て、にやりと笑った。


『俺にはお前なんか必要ないよ…』



一人で生きていくよ。
でもこのマンションの家賃を払っているのは血の繋がった大嫌いな父親。

早く…自由になりたいよ…



液晶テレビの電源をつけると、眩しいくらい作り笑いのニュースキャスターが現れた。




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