かけがえのないキミへ
『今日の特集は○○!』
こう言ってなにかの特集をしている。
俺はぼんやりと見つめるだけで、何も考えていなかった。
あの父親の手紙が俺の頭を支配していく。
《会って話がしたい》
話って何なのだろう?
今頃になって気になり出す俺。
その手紙はもう跡形もなく消えてしまった。
『まぁいいや…』
俺はキッチンへと立ち、ヤカンに水を入れて沸騰させた。
沸騰する間、オーブントースターにトーストを一枚放り込む。
しばらくして、100度を超えたお湯が、うるさく喚いた。
ぴゅーっという音で、俺はハッとし、慌ててコンロを切る。
また、あの手紙の内容を考えていたようだ。
すると、トースターがチンっと鳴った。
トースターから出てきたものは、明らかに焼きすぎたトーストだった。
がっくりと肩を落としていると、後ろではこんな声が聞こえてきた。
『今日の最下位は、天秤座のあなた…』