かけがえのないキミへ
作り笑いのニュースキャスターが占いを発表しているようだ。
しかも最下位はこの俺。
『なにもかもが上手くいかない日。気分転換をするといいかも!ラッキーアイテムは…』
俺はニュースキャスターの甲高い声に嫌気がさし、リモコンを手にとりテレビを消した。
『ご忠告どーも』
ちゃんと礼は言ってからだけどね?
焦げ焦げのトーストに仕方なく、バターとイチゴジャムを塗り、一口食べた。
一瞬にして口の中には、苦さと甘さの絶妙な味が広がる。
コーヒーを一杯、コップの中に入れてお湯を注いだ。
『朝はブラックに限る。』こう心の中で呟き、洒落た雰囲気の中、俺は朝食をとった。
学校の準備をしようとしたが、まだ体は眠いと反論をし、また再びベッドに横になった。
この時、占いは時々当たるなんて、俺は全然知らなかったんだ──……