狼クン達のオリの中③【完】
肩をちょちょっと突くとか、そんな悠長なことをしていられなくて。


最初は心配してたはずの薫のパーカをむんずと掴んで、力任せにブンブン揺らす。


「今からあたしをどこに連れて行くつもり!?
まさか……拉致!?
……っていうか、一生涼と会えなくなったりしないわよね――っ!?」


薫の首がガクガク前後に激しく揺れるのを見ながら、金切り声をあげる。


「アンタが策略家だってのは、よーく知ってるんだからねぇ!!
だから、吐け!!
アンタ、涼になにをしたの――っ!?」


蘭ちゃんが横で止めるのもかまわず、薫の体をグラグラ揺らした瞬間……。

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