狼クン達のオリの中③【完】
車がスィーッと、音もなく止まった。


……と同時に、響く少し高めの声。


「もちろん……。
今後の策略を練ってたんだよ? お姉ちゃん」


いつものように可愛らしく、愛らしい薫の声。


でもその全身からは、黒いオーラが立ち上っていて……。


あたしは一瞬ブルッと震えて、薫のパーカから手を離した。


すると薫は、パーカのフードをスルッととって……。


ニコッとかわいく微笑んだ。


「計算なくして、あの人には勝てないでしょ?
単純な……お姉ちゃん?」
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