狼クン達のオリの中③【完】
「じゃ。
まず、自己紹介でもするか」


と、目の前の怖い王様は、ミネラルウォーターのボトルを、テーブルにトンッと置いた。


「五十嵐煌(いがらし こう)です。
ようこそウチの、つーか、兄の別荘へ。
……って、こんなこと。
もちろん、薫に聞いて知ってるか」


あたしの目を見てフッと笑い、前のめりだった体を、ソファに預ける。


その少しだけ笑った顔が……。


その王様みたいな優雅な仕草が……。


うっ、ヤバイ。
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