狼クン達のオリの中③【完】
そっけない薫の態度に、ブーイングを浴びせかける。


すると、薫は、ハァ――ッとため息をつきながら……。


あたしからフイッと顔を逸らした。


「相談事とか、しやすいんじゃん?
大河くん、大人だし、聞き上手だし。
それに、涼兄って……」


「ん?
なに?」


「けっこうな……秘密主義だし」


そう言って薫は、少し寂しそうに唇を噛みしめた。


「悩み事とか、相談とか。
僕はもちろん、友達にもしないんだよね」
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