狼クン達のオリの中③【完】
「ボク、涼兄のこと、見損なった!!
ひどいことばっかり言って。
お姉ちゃんを泣かして。
涼兄が、そんなヤツだとは思わなかった!!」


あたしのためにキャンキャン怒ってくれる薫と、そんな薫から顔をそむけたままの涼の間に、体を割り込ませた。


そして、涼の顔を見あげて、祈るような気持ちで……。


もう一度、さっきのセリフを口にした。


「涼……。
本当のことを……聞かせて。
お願い」
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