狼クン達のオリの中③【完】
そんなこと、わかってる。


でも、それを……薫にも、受け入れてほしかった。


だって……。


「薫だって、言ったよね?
『涼兄を信じようよ』……って。
あの言葉……。
あたし、まだ、忘れてないよ!?」


薫は、はっきりとそう言った。


それに、その言葉は……。


あたしの心を正気に保つ、唯一の砦なんだもん。


それを、ここで手放すわけにはいかない。
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