狼クン達のオリの中③【完】
「短期留学するんだって、アメリカに。
交換留学っての?
ウチの学園。
そんなシステムなかったのに。
自分で勝手にねじ込んだらしいよ。
理事長に掛け合って」


そんなことって……あるのかな?


あたしは、自分がぐにゃりと歪むのを感じた。


そんな中で聞く薫の言葉は、ぼわんとして、聞き取りにくくて。


まるで、水の中で聞いているようだった。


「そこには、さ。
パパさんの力なんて、一切入ってない。
これを決めたのは……涼兄自身。
お姉ちゃん……。
この意味、わかる?」
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