狼クン達のオリの中③【完】
「……ったく。
あれ、いったい、なんだったわけ!?」
嵐のように去っていった玲王の後ろ姿を、呆然と見つめるあたし。
「っていうか。
『覚悟してね、由梨ちゃん。
今日のボク、想像以上に、カッコいいから♪』
……って、玲王。
いったい、なんのショーに出るの? これから」
ひとり言を呟いて、バッグの中から、もらったチケットを取り出して見ようとすると……。
「一之瀬ブランドの新作発表みたいだよ?
お姉ちゃん」
薫があたしの目の前で、チケットをひらひら揺らした。