狼クン達のオリの中③【完】
わなわな震えるあたしと、


そんなあたしを気にするそぶりもなく、スタスタスタ……と、会場に入っていく薫。


「お姉ちゃん。
こっち、こっち!!」


……と、あたしを手招きしてくれるけど。


あたし、この中に入っていく勇気は、まったくない!!


だから、帰るっ!!


あたしは会場に背を向けた。


――のに。
< 251 / 356 >

この作品をシェア

pagetop