狼クン達のオリの中③【完】
薫はライオンの着ぐるみを着て、目をごしごしっとこすった。


「何か用?
ボク、夏休みはお昼まで寝るって決めてんだけど」


「いや…
お昼まで寝る…って。
いや…
それより、ライオン…って」


「ん?
それがどうかした?」


「いや…
どうかした?じゃなくて」


「あーもー。
お姉ちゃん」


薫は茶色のふわふわ生地で覆われた手で、あたしを押した。


「用がないんなら、あっちへ行って!」


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