共に行く者
いったん、仲間全員と集まった。

ここは店が多く、食事ができる店も5軒もあった。

それに出店もあり、いろいろと楽しめる。

女性達は地元の食材で作られる料理を求め、レストランを選んだ。

男2人は出店を回りたいと言った。

オレと孝一はあっさりした物が食べたくて、和風喫茶店に行くことにした。

「2人で食事するのも久し振りだな」

「そうだね。でも和城、こっちでよかったの? 本当は出店を回りたかったんじゃない?」

「出店は祭りとかで充分だ。それよりここの茶蕎麦、この間見ていたテレビで美味いって紹介されてたんだ。食ってみようぜ」

「はいはい」

オレ達は茶蕎麦と天ぷらのセットを頼んだ。

窓際に座ったので、外で出店を回っている二人の姿が見られた。

「…アイツらも楽しそうで良かった」

「えっ? …ああ、そうだね」

オレが見ている方向へ、孝一も視線を向けた。

「和城ってさ、結構気を使うよね」

「そうか?」

「うん。昔から僕に合わせてくれること多かったし」

「大勢と何かを合わせるのがキライだっただけだ。孝一は一歩ズレてたしな」

「それも子供時代の話だろう?」

「だな」
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